ムーブメントの裏側に組み込まれるパーツ

  ムーブメントの裏側には、主にカレンダー関係のパーツが組み込まれます。
カレンダー機構を持たない時計の場合は、組み込まれるパーツの点数は極端に少なくなります。
また、時計として完成させる時には、これ以外にダイヤルや針といったパーツが裏側には取り付けられることになります。

 (1) 日車(カレンダーディスク)
 内側には歯車が刻まれる、31日分の数字が刻まれた、カレンダー表示用のディスク。
 (2) ツツ車 (hour wheel)
 先端に時針が取り付けられる、12時間で1周する歯車です。
 (3) 日の裏押さえ
 巻き上げ機構、カレンダーも押さえている、日の裏車を押さえるための受け。
 (4) 日の裏車 (minute wheel)
 時針や分針などの示持部分に直接連動する歯車です。
 
 (5) 筒カナ駆動車
 ETA特有の歯車です。3番車のカナと噛んで60分で1周する、分針が付く車です。
 
 (6) 日(カレンダージャンパー)押さえ
 カレンダー送り関係の部品を押さえている板です。
 
 (7) 日(カレンダー)回し中間車 (intermediate date wheel)
 日回し車と日の裏装置の間をつないでいる中間車です。
 
 (8) 日(カレンダー)ジャンパー
 カレンダーを0時で小気味よく送るためのテンションを加えるバネです。
 
 (9) 日(カレンダー)回し車 (date indicator driving wheel)
 ツツ車と連動して24時間で1回転することで日車を送る歯車です。
 
 (10) 裏押さえ (setting lever jumper)
 巻き真周りの部品の受けで、巻き真を引いたときのクリック感を出すバネです。
 
 (11) オシドリ (setting lever)
 巻き真とかみ合っていて、リューズが引かれるとオシドリも引っ張られ、同時にカンヌキを押す仕組みになっています。それによってツヅミ車はキチ車から離れて小鉄車に連動し時刻を合わせることができます。鴛鴦に似ていることからこの名がついた、時刻合わせに必要なパーツの一つです。
 
 (12) カンヌキ (yoke)
 ツヅミ車にかみ合って、リューズに引っ張られたオシドリによってカンヌキが押され、ツヅミ車と小鉄車をかみ合わせます。そして小鉄車から中間車へと伝わり日の裏車を介してツツ車を回し、時刻合わせができます。
 
 (13) 小鉄車 (setting wheel)
 ツヅミ車から日の裏車に回転力を伝えるための中間車の役割をする歯車です。
 
 (14) 日車(カレンダー)早送り操作レバー
 リューズの動きに合わせて小鉄車の噛み合わせを切り替えるためのレバーです。
 
 (15) 日車(カレンダー)早送り車
 リューズを一段引いたところで巻き真とかみ合いカレンダーを早送りする歯車です。
 
 (16) 小鉄車中間車 (intermediate setting wheel)
 リューズを一段引いたときに小鉄車とかみ合い、日車早送り車に回転を伝える歯車です。
 
 (17) 日車(カレンダー)押さえ
 日車(カレンダーディスク)を保持するためのプレートです。
 
 (18) 地板 (main plate)
 これは地板の裏側です。ケースに組み込まれた時はこちらが外側を向くことになります。