ロレックスの歴史(ROLEX)

ROLEX(ロレックス) 創業年=1905年
創業者=ハンス・ウィルスドルフ
創業地=イギリス ロンドン

オイスター、パーペチャル、デイトジャスト
ロレックス3大発明が腕時計を実用レベルに引き上げた

1927年、着けて海で泳げる腕時計の存在に世界が驚いた
  創造的で、どの国でも発音しやすく、文字盤にデザインしやすいブランド名・・。1908年、世界市場を視野に入れてハンス・ウィルスドルフが発案した名前が「ロレックス」だった。その3年前、時計のセールスマンだった彼がロンドンで創設した時計販売会社は、やがてこのブランド名とともに世界市場を席巻することになる。
  ロレックスが最初に世界に名を馳せたのは、1927年のこと。ドーバー海峡を泳ぎ切ったメルセデス・グライツ嬢が腕にしていたのが、ロレックスのオイスターウォッチだった。金属の塊をくり抜いたケースにねじ込み式の裏ブタとリューズを組み合わせ、高い防水性と耐久性を実現。海で泳げる腕時計として世界に衝撃を与えた。というのも、当時は懐中時計が中心で、誰もが腕時計の将来性に疑問を持っていた時代。当時の腕時計は埃や湿気に弱く、物理的衝撃で破損することも多かったのである。そこでウィルスドルフは、確かな耐久性と機能性を備えた実用品としての時計つくりを目指し、商品開発に着手したのだった。
  オイスター成功の後も、一貫して実用時計としての機能向上を追求。1931年には全回転式ローターの自動巻き上げ機構=パーペチュアル、1945年には午前0時ごろ瞬時に日付が変わるデイトジャストと、次々に画期的機構を発表し、世界に名だたる実用時計メーカーへと成長した。1950年代からは新製品開発の猛ラッシュ。ロレックスで初めて回転ベゼルを搭載したターノグラフを皮切りに、その発展型ともいえるダイバーズウォッチ、サブマリーナーが誕生。探険家ユースとされたエクスプローラー、航空時仕様のGMTマスター、1961年にコスモグラフ デイトナと立て続けにヒット作を連発した。天文台コンクールを舞台に、オメガと熾烈な精度競争を繰り広げたのも1960年代のこと。
  オイスターケースで特許を取得していることもあって、防水性で他社に負けるわけにいかないロレックスは、1960年、無謀ともいうべき実験を行った。深海潜水艇「トリエステ号」の外側に、球体ガラスを装備した特殊オイスター「ディープシー・スペシャル」を取り付け、1万916mの潜水に挑戦したのである。驚くべきことに深海探査を終えたこのオイスターは、ケースやムーブメントに何らトラブルがなかったという。サブマリーナーよりも、ひと回り分厚くて堅牢なケースを持つシードゥエラーは、1971年に誕生した。このプロユースモデルを腕に、フランスの海洋探査会社コメックスのダイバーたちが、水深326mの飽和潜水記録を樹立したのは、1975年のことだった。
  2007年はミルガウスが復刻され、新シリーズのヨットマスターⅡが誕生。そしてブランド誕生100周年の2008年、シードゥエラーを一新し、「ディープシー」の名を復活させた。まるで、防水技術に関しては誰にも負けられない、と宣言するかのように。

― ロレックスの歴史(ROLEX)―

1905 ロンドンのハットン・ガーデン83番地に”ウィルスドルフ&デイビス社”を設立
1908 スイスのラ・ショー・ド・フォンで”ROLEX”を商標登録する
1926 オイスターケースの特許を取得
1927 メルセデス・グライツ嬢がオイスターを腕に、ドーバー海峡を泳いで横断する
1929 ドクターウォッチ、プリンスを発売開始
1931 全回転式ローターを搭載した自動巻き機構パーペチュアルを開発
1945 午前0時頃、瞬時に日付が変わるデイトジャスト機構が誕生
1953 英国のエドモンド・ヒラリー郷が、エクスプローラー(Ⅰ)を腕にエベレスト登頂に成功。同年、サブマリーナーとともに発売される
1956 デイデイト発売
1957 パイロット時計GMTマスター(Ⅰ)を発表
1960 潜水艇トリエステ号とともに特殊オイスターが深海1万916mへ。この年、創設者ハンス・ウィルスドルフ死去。享年79歳だった
1961 オイスターコスモグラフデイトナ発売
1971 610m防水のシードゥエラーが登場する
1978 ロレックス初のオイスタークオーツ誕生
1983 単独で短針が動かせるGMTマスターⅡ誕生
1988 自動巻きデイトナ、Ref.16520が登場
1991 1988年のエクスプローラーⅠ、Ref.1016の生産中止から3年後、Ref.14270が誕生
1992 新スポーツライン、ヨットマスターが登場
2000 現行デイトナ、Ref.116520が日本上陸
2001 エクスプローラーⅠの新型Ref.114270登場
2003 サブマリーナー50周年記念モデル発売
2004 デイトジャストターノグラフ発表
2005 グリーンダイアルのGMTマスター50周年記念モデルとプリンスが復活を遂げる
2006 グリーン針GMTのコンビ仕様が登場
2007 ミルガウスが復刻。ヨットマスターⅡ誕生
2008 シードゥエラーが新してディープシーに