ダイアル
いわゆる文字盤のことで、時刻を表示する目盛や数字、マークが記されている部分のこと。その素材やデザインは様々で時計の顔を決定する重要なパーツ。
耐磁性
時計が外からの強い磁気に耐えられる性能。時計は磁気を受けることにより帯磁し、誤差を生じてしまうことがある。
そこで耐磁素材を使うことにより磁気からムーブメントを守っている。直流磁界4800A/mに耐えられるものを2種耐磁時計とJIS規格で規定されている。
衝撃性
衝撃に耐える性能のことで、JIS規格では水平な硬い木の面に1mの高さから落とした場合に耐えられる時計を耐衝撃ウォッチと規定している。
耐振軸受
テンプを衝撃から守り安定した動作ができるように、軸を衝撃から保護する機能を持った軸受けのこと。インカブロック(耐震装置)を構成するパーツのひとつ。耐衝撃軸受けとも言う。
タイドクロノグラフ
潮の満ち引きを計測することができる潮位計目盛りが付いたクロノグラフのこと。漁業関係者や港湾関係者のために開発された。
ダイバーズウォッチ
防水性に優れた潜水に使用できるスポーツウォッチのこと。最低でも100m以上の潜水が可能であることがISO規格で決められている。
ダイレクトフライト機能
ダイアル4時位置のディスク表示から、都市名(世界26都市&UTC)を選択すれば、その都市の現在時刻や日付けなどが瞬時に表示される、シチズンが開発したオリジナル機構。
タキメーター
クロノグラフに付いている平均速度を測定することができる機能のこと。発進したときにスタートボタンを押してクロノグラフを始動させ、1km通過時点でストップする。その時にクロノグラフ針が指しているタキメーターの目盛りの数が平均時速となる。
多軸時計
アラームやタイムカウンターなど時計以外の機能を持つ時計のこと。30分計や12時間計を搭載したクロノグラフなどのこと。
脱進機
ガンギ車とアンクルから構成され、輪列と調速機の間に位置している。ゼンマイのエネルギーが一度に開放されるのを制御しつつ、そのエネルギーをテンプに与え規則正しい往復運動に変える働きをする。
脱進調速機
脱進機構を使った調速機のこと。ゼンマイに蓄えられたエネルギーは輪列の介して動力となり、ガンギ車とアンクルからなる脱進機がそのエネルギーを往復運動に変換する。そして脱進機に接している調速機(テンプやヒゲゼンマイ)がエネルギーが一気に放出されるのを抑え、一定の往復運動を保つ。その動力を再び脱進機に戻す。このような仕組みを脱進調速機と言う。
タフソーラー
カシオが開発した、電池交換不要の腕時計用ソーラー発電システム。文字盤に搭載されたソーラーパネルが、光を受けて発電。内臓された大容量2次電池にそれを蓄えることで時計を駆動する構造になっている。太陽光はもちろん、蛍光灯などのわずかな光でも駆動に十分な力を発電することができ、
実用的で機能的なエコ・エネルギーシステムとして高い評価を受けている。
タフムーブメント
世界6局の標準時刻電波に対応する「マルチバンド6」や「タフソーラー」機能の他、ムーブの破損事故を防止する「ハイブリッドマウント構造」、「針位置自動補正機能」などを装備したカシオの多機能ソーラー電波ムーブメント。
WPHH
「フランク・ミュラー・ウォッチランド」グループが主催する新作展示発表会。フランク・ミュラーを中心とし、ピエール・クンツやマーティン・ブラウンなどが参加。ジュネーブ公害・レマン湖畔にあるグループの本拠地「ウォッチランド」で毎年独自開催している。グループの新作やコンセプトウォッチなどがマスコミや業界関係者、VIP向けに披露されている。
ダボ
日付を早送りするためのプッシュボタンのこと。
短針
時を示す針、すなわち時計のこと。分を示す分針(長針)と比べ短いのでこう呼ばれる。
地板
ムーブメントの土台となる金属盤。あらかじめ穴や凹みが作成されており、それに合わせて歯車やネジなど部品が組み立てられるようになっている。穴や凹みの位置は、ムーブメントの種類サイズによって異なり、通常はキャリバー別に設計&製造されている。ちなみにムーブメントのサイズや型などは、この地板のサイズで表記されるのが一般的だ。
GMTウォッチ
時計とは別に24時間で1周する24時間針や、12~24時間表記のベゼル(インナーリング)などを用いることで、同時に2カ国以上の現在時刻を表示するこおができる機能を持つ時計。
チタンカーバイド
ガス化したチタンを高温で金属表面に付着させたカーボンと反応させることにより、強固な炭化皮膜を形成する加工技術。
蓄光塗料
太陽光や人工光など光のエネルギーを蓄え、暗闇でそのエネルギーを放出し光らせる素材。針や目盛りに使われる。現在では放射性物質を含まないN夜光などの光を蓄積するタイプの塗料を使用しているが、以前は放射性物質のトリチウムやラジウムなど、自然発光するものを使用していた。
中留
ベルトやブレスレットの留め部分のことで、素材もデザインも様々。スライドタイプやプッシュ式、プレートを3枚使った三つ折タイプなど着脱方法も色々ある。バックルとも言う。
長針
分針のこと。ダイバーズウォッチでは長針を読み誤らないようにするため、認識しやすいデザインになっている。
調速機
ゼンマイの動力を瞬時に放出させないように速度を一定に保ち、その動力を再び脱進機に戻す機構。テンプやヒゲゼンマイから成る。
直進式脱進機
1715年にイギリス人のジョージ・グラハムが考案したアンクル脱進機で、ガンギ車からアンクル、振り石、天真まで直線状に配列されている。
チラネジ
テンプのバランスをとるために天輪に取り付けられた極小のネジのこと。テンプのバランスを取るための錘。テンプがアンバランスだと時計の姿勢によって進み、遅れの影響が出てくる。必要に応じて錘を加えたり、削って軽くする。取り付ける位置を変えて温度補正をすることもできる。
筒カナ
長針が装着されているカナ。2番車と同軸上にあり、運針時は2番車と一緒に回転する。時刻合わせの時には筒カナの内側がすべり、独自に回転する仕組み。
車
時刻を合わせるのに必要となる鼓状の部品。片方の端はキチ車と噛み合うようにノコギリの歯のように斜めの歯が付いていて、もう一方の歯は小鉄車と噛み合うように作られている。巻真が通っている部分は角穴になっていて、巻真と一緒に回転する仕組みになっている。普段はキチ車と噛み合っているがリュウズを引くと、オシドリとカンヌキの働きによってキチ車から離され、時刻を合わせる小鉄車に連結させる。
爪石
アンクル脱進機におけるアンクルのアーム部分に付いた石のこと。角度の異なる入りヅメと出ヅメがあり、ガンギ車の歯と噛み合うことによってゼンマイのエネルギーを規則正しい運動に変えている。
DLC加工
炭化水素ガスを真空中で分解、非結晶化した炭素を素材表面に堆積させて硬化膜を作る、時計ケースやブレスの表面加工技術。その名の通り、ダイヤモンドに次ぐほどの高硬度を誇り、当初はゴルフのヘッドクラブの加工にも用いられていたほど。2000年頃から、その頑強性が着目され、シチズンが世界に先駆けて時計ケースやブレスの加工に応用している。
低振動
テンプが振動する回数が少ない状態のことで、1時間に2万1600振動以下のものを低振動と言う。
デイトジャスト
ロレックスが開発した機構で、24時ちょうどになると日付が変わる。またこの機構を搭載したモデルのことを言う。
デイト表示
日付表示のことを指す。日付と曜日を表示するものをデイデイトと言い、24時ちょうどになると日付が変わる機構をデイトジャストと言う。両方ともロレックスが開発したもの。
ディフュージョンモデル
高級なモデルに比べて低価格に設定された普及版のモデルのこと。ちなみにディフュージョンメーカーとは同メーカー内の製品のうち普及品のみで構成されたブランドのことを言う。ロレックスのディフュージョンブランドとしてつくられたチュードルは、当時ロレックスの半額以下の値で売られていた。
デジタルカウンター
クロノグラフやストップウォッチに付いている1分間または1時間などの目盛の単位を100分割したもの。加算や減算を簡単に行なうことができる。
デジタルコンパス
方位センサーを内臓するクオーツモデルで、ダイアル上に現れる液晶表示コンパスのこと。カシオの「プロトレック」などに搭載され、東西南北を示す2本の線が、あたかも針式のコンパスを見るように、画面上にリアルタイムで方角を表示するようになっている。
デタント脱進機
イキリスの時計師ジョン・アーノルドが1780年頃に考案した脱進機構(正式にはスプリング・デタント脱進機という)。耐衝撃性に優れ、マリンクロノメーターなどの高精度デッキクロノックに主に採用されている。
デッドビートセコンド
機械式時計は通常、流れるように滑らかな運針を見せるが、ガンギ車のバネなどに(1秒分の)力を蓄積することで、秒針を1秒ずつジャンプするように運針させる超複雑機構の一種。
手巻きムーブメント
リューズの回転が専用歯車を伝って、最終的に香箱車を回すことでゼンマイを巻き上げる方式を採用したムーブメント。構造が比較的シンプルで、機械仕掛けらしい操作感が味わえるとファンも多い。
デュアルタイムウォッチ
メインの短針、長針とは別に文字盤内にもう一つ12時間計を設けることによって、2ヶ国の時刻を瞬時に読み取ることができる機能を持った時計のこと。メインの長針とは別にもう一本長針とは別にもう一本長針が付いたGMTモデルよりも、第2時刻が読み取りやすいのが特徴である。
デュボア・デプラ
マーセル・デプラによって1901年、ジュウ渓谷に創設されたムーブメント製造メーカー。クロノグラフやコンプリケーション・ムーブの開発&製造で知られ、1969年にはタグ・ホイヤーらと共に、世界初の自動巻きクロノグラフ・ムーブメント「クロノマチック」も開発している。
テレメーター
光速と音速の差を測ることによって2点間の距離を割り出せる機能を持った目盛のこと、またはその目盛を搭載しているクロノグラフのことを言う。
テン真
テンプの中心のこと。テン輪に取り付けられる軸部分のことで、先端の径は腕時計で0.08m/n前後。
天体時計
太陽の位置、日の出、日の入りの時間、星雲星団などの表示、恒星の位置など天体の情報を計測、表示できる機能を持った時計のこと。
電波時計
誤差が10万年に1秒しか生じない超高精度な原子時計で制御された標準時刻電波を、時計に内臓された受信アンテナで自動受信。もし誤差があった場合、それを自動的に修正する機能を持った時計。1990年にドイツのユンハンスが世界で初めて製品化に成功。日本ではシチズンが1993年に開発に成功している。
テンプ
テン輪やテン真、振り座などで構成された調速を行なう部分。輪列、ガンギ車、アンクルと伝わってきた主ゼンマイの動力を、テンプの中心にあるヒゲゼンマイと共に規則正しい速度に変換する働きをしている。現在使われている主なテンプはチラネジ付きとチラネジなしの2種類。テンプを保持する受けのことをテンプ受けと言う。
等時性
「往復運動をしている振り子は、振り幅が大きくても小さくても一往復する時間は変わらない」というイタリアの天文・物理学者ガリレオが発見した性質。
トゥールビヨン
アブラアン・ルイ・ブレゲが1795年に発明した複雑機構。地球には重力があるためその重力によって、時計には姿勢差が生じてくる。その姿勢差を相殺するための機能。振動するテンプと脱進機を収めたキャリッジと呼ばれる籠が回転することによって、重力の影響を平均化する仕組みになっている。トゥールビヨンとはフランス語で「渦巻き」という意味。
ドクターズウォッチ
秒針が長針、短針を持つ文字盤から独立していて、文字盤の半分ほどの割合を占めている時計のこと。医者や看護婦が患者の脈を測るために秒針が短針や長針で隠れないようにするために考案された。
トノーケース
樽型のケースのことでカジュアルな印象をもたらす。レディスモデルに多かったデザインだが、1920~30年代にかけて、角型のムーブメントの開発が困難だった時代に、丸型ムーブメントを使用しながら角型に近づけるために考案された。
ドーム形風防
ドーム形に盛り上がった風防のことで、サファイアガラスをドーム形にするには高い技術力が必要となる。
ドライバーズウォッチ
車を運転してハンドルを握ったままの状態でも、ハンドルから腕を放さずに時刻が読み取りやすいよう、ダイアル全体を傾けた構造にしてある時計。
ドライビングホイール
4番車と連動して1分間で1回転しているクロノグラフ機構特有の歯車。スタートボタンを押すとトランスミッションホイールがクロノグラフランナーと噛み合い、動力を伝える役割をする。
トリプルカレンダー
月・日・曜日・月齢(ムーンフェイズ)を表示することができるカレンダー機能のこと。小窓で表示するタイプが多いが、針で文字盤の目盛を示すポンターデイト表示のものなどもある。